Talk Session 02

デジタルで変革する
ビジネスの未来とは?

SMFLでは、AI・IoTなどの最新技術を活用したDXを推進している。DXにより、金融の枠を超えたソリューションを開発し、お客さまはもとより社内でもビジネス変革につなげている。ここでは、SMFLで開発した資産管理のクラウドサービス「assetforce」の展開に従事している2名に登場してもらい、その取り組み内容や、生み出した新たな価値、デジタルで今後のビジネスがどう変わるのかについて語ってもらった。

Talk Members トークメンバー紹介

縄野 雄大
DX推進部
経済学部卒 | 2008年入社

社内のDXを推進する部署に所属し、主にassetforceのセールスを担当。営業部店とともに、顧客企業への提案活動に従事している。

青木 孝平
不動産リース部
(SMFLみらいパートナーズ ソリューション営業部に出向中)
経営学部卒 | 2009年入社

子会社のSMFLみらいパートナーズ(SMFLMP)が手がける不動産のリース・賃貸事業の管理にassetforceを導入。

※所属は取材当時のものです。

資産管理のクラウドサービス
「assetforce」とは?

まずはassetforceについて
ご紹介ください。

縄野

簡単に言えば、資産のライフサイクルを管理できるシステムです。棚卸業務や入出庫業務はもちろん、設備のメンテナンス時期や交換時期が近づいた際のアラート通知機能なども備えています。導入すれば、資産の導入計画から廃棄まで、資産管理に要する労力を大幅に軽減できます。
2019年にSMFLと統合したSMFLキャピタル株式会社(旧日本GE合同会社)には、デジタルに精通した人財が多くいました。一方、SMFLはリース会社としては日本有数の資産を保有しています。そこで、お互いの強みである「デジタル」と「資産」を掛け合わせて、お客さまの資産管理のDX化を実現するサービスの内製開発に着手しました。社内での試用やお客さまとの実証実験を通じ、2021年5月に正式リリースしました。

では、assetforceに関する
職務内容について教えてください。

縄野

私は、SMFLの顧客企業を対象にしたセールス活動に従事しています。社内の営業部店とともに顧客企業を訪問して細かにヒアリングを実施し、課題や目指す将来像を浮き彫りにしたうえで、assetforceをお客さま仕様にカスタマイズして導入いただくというのが、主な活動内容です。

青木

私は部署内での普及に従事しています。SMFLMPでは、オフィスビルやホテルなど、多種多様な不動産を保有して不動産リースや賃貸事業を展開しています。現在の自社システムは、一般的な「動産リース」を管理する目的に開発されているため、法定点検や消防検査など、不動産特有の管理項目はエクセル等で管理をしなければなりません。assetforceの導入によって不動産に関わる情報をデータベース化し、作業の効率化やデータの見える化を目指しています。

デジタルサービス
導入・普及の障壁とは?

assetforceの導入について、
どのような点が大変でしたか?

縄野

assetforceの利点のひとつに、柔軟にカスタマイズできることが挙げられます。最初の段階ではこれが仇になってしまい、どのようなお客さまにどのようなアプローチでお勧めすればいいのかを定められませんでした。手探りで提案活動を進めていたので、苦心しましたね。また、お客さまにご提案するには、社内の営業部店の協力が不可欠な半面、初期は営業部店に対してassetforceの価値を明確に伝えることができなかったこともあり、理解を得ることにも苦労しました。

青木

部署内へのassetforceの導入は、私が必要性を感じて始めたことです。もともとassetforceは、モノ、つまり動産を対象に開発されたシステムなので、自部署に導入するには不動産用にカスタマイズする必要がありました。私自身、デジタルやシステムに明るくありませんでしたし、逆に開発側は、不動産業務に関する知識がない状態。自身のリテラシーを高めつつ、こちらのニーズを理解してもらうのが大変でした。それでもなんとか導入にこぎつけたわけですが、今度は部署内のメンバーに活用する気になってもらうのに苦労しましたね。みんなベテランで、独自のスタイルで属人的に管理をしているため、慣れ親しんだスタイルを変えるのには抵抗がありましたから。

直面した障壁は、
どのように乗り越えましたか?

縄野

顧客ニーズを探るという点では、親密なお客さまに実証実験にご協力いただきました。また、少しずつ導入実績を積み上げてきたことが社内の営業部店に認知されてきたこともあって、セールスの活動が加速し、着実に導入実績が増えてきています。

青木

導入については、開発側が献身的に臨んでくれたおかげで実現できました。また、導入後の部署内での浸透については、毎月勉強会を実施してassetforceの機能や使うことで得られるメリットを説明しています。また、部署内のメンバーから機能改善の要望が上がってきた場合は、できるだけ対応して、利用する張り合いを感じてもらうようにしています。

DXを推進する意義、
そして、やりがい。

assetforceを
社内外に普及させる意義を、
どのように感じていますか?

縄野

全国に拠点があるような企業なら、「どこに」「何が」「どれだけ」あるのか把握できていないケースが少なくありません。assetforceには、モノ(資産)にQRコードのラベルを貼り付けて、スマホで棚卸業務や入出庫業務を実施することができます。現場がスマホで実施した業務内容は、クラウド上にリアルタイムで反映されるため、本社は最新の情報を簡単に把握できたり、集計にかける手間や時間を大幅に削減できたという事例があります。この他にも業種や規模を問わず、さまざまな業務シーンでの効率化につなげていただける点に、assetforceを広げる意義があると思いますね。

青木

先ほど触れたように、従前は各担当者が独自のスタイルで管理していました。業務が属人化してしまうので、異動などで引き継ぐと、何かと前任者に問い合わせる必要が生じていたのです。assetforceの導入で、担当を問わず誰もが各不動産の現況や履歴を確認できるようになった意義は、とても大きいと思っています。自社で活用して知見を蓄積すれば、将来的に顧客企業に対して、どのように提案すればいいのかも鮮明化するのではないでしょうか。

職務を通じて、どのような点に
やりがいを感じますか?

縄野

まったく新しい取り組みに従事できている点ですね。前例がないぶん苦労もありますが、自分たちで新たなビジネス領域を広げていると日々実感できるのは、大きなやりがいです。

青木

同感ですね。特にassetforceを導入することで、自身で感じた問題を解消できた点にはやりがいを感じました。

assetforceそして、DX推進で
変わるリースビジネス。

assetforceを含め、DXで
ビジネスや社会は
どう変わっていくとお考えですか?

縄野

モノのライフサイクルをしっかり把握できれば、まだ使えるのに交換するというムダや、メンテナンス時期を失念して安全性を損ねるといった事態を防げます。各資産を有効に使い切ることができるようになりますから、サステナブルにも貢献できるはずです。また、DXは各自が課題を「自分ごと」として捉え、「変えたい」と思うことからスタートしますが、そのようなお客さまをサポートする提案活動を実施し、社会全体から必要とされるDXソリューションを提供していきたいですね。

青木

私が関与している不動産業界では、全般的にDXが遅延しています。もちろん、現実的に導入が困難という部分もありますが、自身の経験を踏まえれば、これまでの慣習に沿っているだけで、本気で取り組めば導入可能という領域も多いと感じます。現状では、物件管理や賃貸管理など用途が限定されたシステムしかないので、assetforceを不動産のトータルプラットフォームに進化させたいですね。

最後に、
DXに関心がある学生の方に
メッセージをお願いします。

青木

金融業界では、トップダウンでDXを進めようとしている企業が多いように感じます。しかし、縄野さんも指摘していたとおり、大事なのは自身の「変えたい」という気持ちです。SMFLでは「DXで改善したい」という積極性を汲み上げてもらえますし、システム部門も親身にサポートしてくれます。まだまだ、改善の余地は多く残されているので、意欲的な人にとってはDXでダイナミックに変革していけると思います。

縄野

SMFLの経営陣は、DXの重要性を理解し、積極的に推進しようと考えています。このため、DXの関連部署でなくても、青木君のように実務を通じて課題を見出し、DXに取り組むことができます。自身の負担軽減にもつながるので、ぜひ積極的に課題を探っていただきたいですね。

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